植物療法 研究トピックス
No. 5 青紫蘇成分の抗酸化能、老化やメタボリックシンドロームの予防に期待!
夏の暑さもまだまだ残り、薬味を入れた素麺が美味しい季節。日本の夏の薬味と言えば、茗荷、生姜、そして紫蘇・・。今回紹介する研究報告では、私たちの日々の食卓でもよく見られる青紫蘇の抗酸化能について調べた結果が述べられている。
京都大学の久米准教授らは、野菜や果実の摂取は廊下やメタボリックシンドロームの予防によいとされていることから、私たちの身近な植物として、桃、リンゴ、イチゴ、クランベリー、ラズベリー、温州みかんの果汁と、青紫蘇、モロヘイヤ、春菊、セロリ、パセリ、赤紫蘇をピックアップ、それらの成分をジエチルエーテルによって抽出し、抗酸化能をもつか否かについて調べた。
抗酸化能については、ラットの細胞を対象として抗酸化のシステムが作動すると活性化する、Nrf2-ARE経路に注目、これを活性化する作用を有する化合物を探索した。
その結果、青紫蘇エキスから、強い抗酸化能を有する化合物として、2',3'-ジヒドロキシ-4',6'-ジメトキシカルコン(2',3'-dihydroxy-4',6'-dimethoxychalcone:DDC)が見つかったとのこと。このDDCは紫外線を強く浴びる熱帯のバンレイシ科の植物から発見されているそうだが、食卓に上るような身近な植物で発見されたのは初めてのことだそうだ。
毎日のお膳にちょっと青紫蘇を・・。日々の食生活から、老化やメタボリックシンドロームの予防への一助を得ることができるのは喜ばしいことと思う。
【参考】Izumi Y, Matsumura A, Wakita S, Akagi KI, Fukuda H, Kume T, Irie K, Takada-Takatori Y, Sugimoto H, Hashimoto T, Akaike A. Isolation, identification, and biological evaluation of Nrf2-ARE activator from the leaves of green perilla (Perilla frutescens var. crispa f. viridis). Free Radic Biol Med. 2012 Jun 27;53(4):669-679. [Epub ahead of print]